株式投資を行っているときに、持ち株のニュースや適時開示する情報の中で「株式分割」について見ることがあるかと思います。
株式分割と聞いて、どのようなものか理解していますか?
今回は株式分割について紹介し、企業と投資家においてどのようなメリット・デメリットがあるかを紹介します。
また、株式分割が起こったときに私なりの判断についても紹介します。
株式分割とは
株式分割は、企業が発行済株式を一定の比率で分割して、株数を増やすことを指します。
M&A界隈ではストック・スプリットとも呼ばれます。
例えば「1株を2株に分割する」場合、保有している株数は2倍になりますが、株主が保有する企業の持ち分(出資比率)や企業価値には変化がありません。
例として株価が1株9,000円の株式を2分割した場合は、分割後に1株4,500円となります。
また分割前に保有している人は株式数は2倍となります。株価も理論的には分割比率に応じて調整されます。
株式分割をした企業の例
以前紹介した任天堂株式会社は、2022年10月1日に1株を10分割しました。
この分割前は1株60,000円を超えており、1単元(100株)買うのに600万円以上必要でした。
この分割により、1株6,000円程度になり比較的1単元(100株)が買いやすくなりました。
また携帯会社のソフトバンクも、2024年10月1日に1株を10分割しています。
株式分割は、ある程度株式市場では起こりうるものと捉えておきましょう。
企業が株式分割する目的
企業が株式分割する目的は、株価を下げて個人投資家が買いやすくするためです。
また株式分割することで、市場に出回る株式数が多くなり売買が活発化します。
それにより流動性が高まり、結果として企業の時価総額が上昇することもあります。
株式分割のメリット
ここからは、株式分割のメリットについて3つ紹介します。
投資家の参入障壁を下げる
株式分割によって1株あたりの価格が下がると、これまで高額で手が出なかった個人投資家でも購入しやすくなります。
任天堂の例で考えても、投資がしやすくなっているのは明白です。
株式が分割されると、より多くの投資家が関心を持ち購入のチャンスが広がります。
これにより投資家層が拡大し、企業の認知度や人気が高まることもあります。
株式の流動性が高まる
株式分割によって発行済株式数が増えると、売買される株数も増加する傾向があります。
結果として、株式市場での流動性(取引のしやすさ)が向上し、株価の適正な形成が促進されます。
流動性が高い銘柄は投資家にとって魅力的で、機関投資家などの大口投資家も取引しやすくなる利点があります。
株価上昇の期待につながる
株式分割は「企業の成長性」や「業績好調の表れ」として市場から好意的に受け止められることがあります。
このため、実際には企業価値に変化がなくても、投資家心理が刺激されて株価が上昇するケースもあります。
特に個人投資家の注目が集まりやすく、人気銘柄化のきっかけになることもあります。
株式分割のデメリット
次にデメリットについて3つ紹介します。
一時的な投機的売買を招く可能性がある
株式分割は話題性が高く、短期的に売買が活発になる傾向があります。
このため、長期投資を目的としない短期の投機的な取引が増え、株価が乱高下するリスクがあります。
こうしたボラティリティ(価格変動)の高まりは、本来の企業価値と無関係な値動きを生みやすく、投資判断が難しくなる場合があります。
株価が割安に見えて過大評価される
分割によって株価が下がると、一見「安くなった」と感じられ、実際の価値以上に割安感を演出してしまうことがあります。
しかし、企業の本質的な価値は変わらないため、誤解による過大評価が進むと、将来的な株価の調整(下落)につながるリスクがあります。
初心者ほどこの点に注意が必要です。すぐに飛びつかないようにしましょう。
株主数が増えることで管理コストが上がる
これは企業のデメリットですが、株式分割によって多くの個人投資家が新たに株主となると、配当金の分配、株主総会の案内送付、議決権管理など、企業側の事務的負担が増えます。
特に株主数が大幅に増加した場合には、証券代行業務などの外部委託費用も増加し、間接的なコスト増加要因となる可能性があります。
株式分割を確認する方法
分割を確認する場合は、企業のIRページや証券会社での適時開示情報をチェックしておきましょう。
狙っている銘柄や保有している銘柄については、できれば高頻度でチェックしたいところです。
株式分割が発表されたら
ここでは、株式分割が発表された場合について2パターンに分けて私なりの判断を紹介します。
その株式を保有している場合
まず保有している銘柄が分割する場合は、あまり気にせず保有し続けるのが良いかと思います。
基本的に株式分割した場合は、メリットで述べた通り今後上がりやすい可能性があるので、含み益を得やすいです。
分割することで見た目上は配当が下がりますが、分割した分は多く持っていることになるため気にしなくてもいいです。
持ち続けるのが最も良い選択だと思います。
その株式を保有していない場合
保有していない銘柄が分割する場合は、どの程度分割するのか確認しておきましょう。
そして売買しやすい価額になったと判断したら、保有を検討してもいいかと思います。
分割してもすぐには株式の価値は測りにくいところがあるため、元々狙っていた銘柄が安くなったのであれば保有してもいいと思います。
銘柄毎にある程度優良銘柄に絞っておけば、売買において問題ないと感じます。
まとめ|株式分割は投資家が買いやすくなるチャンス
今回は株式分割について紹介しました。
株式分割は投資家にとって銘柄が買いやすくなるメリットが大きい相場の事象です。
保有したい銘柄は情報をチェックし、適切なタイミングで売買していきましょう!
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